肝臓・胆のう・膵臓の症状
肝臓・胆のう・膵臓の症状

健康診断の血液検査でAST・ALT・γ-GTPなどの数値が高いと指摘されたものの、「症状がないから大丈夫」と放置してしまっている方は少なくありません。しかし肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれており、炎症やダメージが起きていても自覚症状がほとんど出ません。数値の異常は肝臓からの重要なSOSサインです。
日本人成人の脂肪肝の有病率は約30%とされ、その多くがMASLD(代謝機能障害関連脂肪性肝疾患)です。放置すると肝炎・肝硬変・肝臓がんへと進行するリスクがあるため、早めに専門医を受診して原因を調べることが大切です。
肝臓に脂肪がたまった状態です。肥満・糖尿病・脂質異常症・高血圧などの代謝異常が背景にある場合をMASLD(旧NAFLD)と呼びます。
過剰な飲酒(男性で純エタノール60g/日、女性で40g/日以上)が長期間続くとリスクが高まります。
ウイルスによる慢性的な肝臓の炎症です。日本ではB型肝炎ウイルスのキャリアが約110〜140万人、C型肝炎ウイルス感染者が約100〜150万人いると推定されています。自覚症状がないまま進行することが多いため、感染の有無を調べることが重要です。
免疫が誤って肝臓を攻撃することで起こる炎症です。中高年の女性に多い傾向があります。
市販薬・漢方薬・サプリメントなどが原因で肝機能が低下することがあります。
血液検査で肝機能(AST・ALT・γ-GTP・ビリルビンなど)・ウイルス性肝炎の有無・自己抗体などを調べます。当院では肝臓専門医・肝胆膵外科高度技能専門医として、腹部超音波検査(高精度エコー)で肝臓の状態を観察し、肝臓の脂肪量と硬さ(線維化の程度)を数値で評価できます(ATI・SWE測定)。必要に応じてCT検査・MRI検査が可能な施設にご紹介します。
「脂肪肝と言われたけど、症状がないから大丈夫」と思っていませんか。脂肪肝は初期段階では自覚症状がほぼなく、健診の腹部超音波検査や血液検査で偶然発見されることがほとんどです。
しかし放置すると、脂肪性肝炎→肝硬変→肝臓がんと段階的に進行するリスクがあります。MASHによる肝硬変からの肝がん発生率は年1〜3%と高く、線維化が進行した症例は肝がんの高リスクとなります。「お酒をよく飲む」「最近体重が増えた」「健診でひっかかった」という方は、一度きちんと肝臓の状態を調べることをおすすめします。
お酒をほとんど飲まなくても、肥満・糖尿病・脂質異常症などを背景に脂肪肝になる病気です。日本人成人の有病率は約30%です。2023年に国際的な合意のもと、従来のNAFLD/NASHからMASLD/MASHへと名称・定義が変更されました。
長期間の過剰な飲酒が原因で肝臓に脂肪がたまります。禁酒・節酒によって改善が期待できますが、飲酒を続けると肝炎・肝硬変へ進行します。
脂肪肝に炎症が加わった状態で、肝硬変への進行リスクが高まります。
代謝異常とアルコール摂取の両方が関与する脂肪性肝疾患として、新たに分類されたものです。
血液検査で肝機能・血糖値・脂質・ウイルス性肝炎の有無を調べます。腹部超音波検査で脂肪肝に特徴的な「輝度上昇」(肝臓が白っぽく映る所見)を確認します。当院では高精度エコー(ATI搭載)で脂肪量を、SWE(シェアウェーブエラストグラフィー)で肝臓の硬さ(線維化)を数値で測定し、リスクを客観的に評価できます。治療の基本は体重の7〜10%減量であり、生活指導・薬物療法を組み合わせて管理を行います。
「最近なんとなくだるい」「疲れが取れない」「原因不明のかゆみが続いている」、こうした症状は、肝臓・胆管の病気のサインである可能性があります。
肝臓は症状が出にくい臓器であるため、倦怠感やかゆみといった「なんとなくおかしい」という体のサインを見逃さないことが大切です。特にかゆみは、胆汁の流れが悪くなった際に現れる症状として知られており、原発性胆汁性胆管炎(PBC)などの発見につながることがあります。
慢性的な肝臓の炎症によって、倦怠感・疲れやすさが続くことがあります。
免疫の誤作動によって胆管が慢性的に炎症を起こす病気です。日本の患者数は約5万人、男女比は約1:7と女性に多い特徴があります。全身のかゆみ・倦怠感が特徴的な症状で、中高年の女性に多い傾向があります。
慢性的な倦怠感・食欲不振が続きます。他の自己免疫疾患(橋本病・関節リウマチなど)を合併することがあります。
進行した肝臓の病気では強い倦怠感・食欲不振・むくみなどが現れます。日本の肝硬変患者数は約40万人と推定されています。
血液検査で肝機能・胆管系の酵素(ALP・γ-GTP)・自己抗体(抗ミトコンドリア抗体・抗核抗体など)・IgGなどを調べます。腹部超音波検査で肝臓・胆管の状態を確認します。必要に応じてSWE(肝硬度測定)や肝生検が行われることがあります。
右のわき腹・みぞおち・背中にかけての痛みや違和感は、肝臓・胆のう・膵臓などの臓器が関係しているサインであることがあります。
「背中が痛いだけだから筋肉の問題だろう」と整骨院などに通い続けていたら、実は胆石や膵臓の病気だったというケースもあります。特に食後(特に脂っこいものを食べた後)に痛みが起こる・発熱を伴う・痛みが強くなってきたという場合は早めに受診してください。
食後(特に脂っこいものを食べた後)に右上腹部から背中にかけて激しい痛みが起こることがあります。日本人成人の胆石症の有病率は約5〜10%とされ、加齢・肥満・女性で頻度が高くなります。発熱を伴う場合は胆のう炎が疑われます。
多くは無症状ですが、右上腹部の違和感として気づくことがあります。
みぞおちから背中にかけての強い痛みが特徴です。日本では年間約8万人が急性膵炎を発症し、原因はアルコール(約40%)と胆石(約25%)が多く見られます。
初期は無症状のことが多いですが、進行すると背中の痛み・体重減少・黄疸などが現れます。膵のう胞のうちIPMN(膵管内乳頭粘液性腫瘍)など一部は膵がんのリスクとなることが知られています。
右上腹部の鈍い痛みや重だるさとして感じることがあります。
問診で痛みの場所・タイミング・強さ・食事との関係を確認します。当院では肝胆膵外科高度技能専門医として、血液検査・腹部超音波検査(高精度エコー)を行い、異常が疑われる場合はCT検査・MRI検査・MRCP(胆管・膵管を映す検査)・EUS(超音波内視鏡)が可能な施設にご紹介します。
皮膚や白目が黄色くなる「黄疸(おうだん)」は、肝臓・胆管・膵臓に重大な異常が起きているサインです。
「日焼けかな」「疲れて顔色が悪いだけかな」と見過ごされてしまうこともありますが、黄疸は早急な受診が必要な症状です。尿の色がビール色や褐色になる・皮膚がかゆくなるといった変化も黄疸のサインのひとつです。症状に気づいたら、できるだけ早く医療機関を受診してください。
胆管に石が詰まることで胆汁の流れが悪くなり黄疸が起こります。発熱・腹痛を伴う場合(シャルコー三徴)は緊急の対応が必要です。
腫瘍が胆管を圧迫・閉塞することで黄疸が起こります。痛みが少なく無痛性黄疸として現れることが多く、発見時には進行していることもあります。
ウイルス・薬剤・アルコールなどが原因で肝臓の機能が急激に低下し、黄疸・倦怠感・食欲不振が現れます。
肝臓の機能が大きく低下すると黄疸・腹水・むくみなどが起こります。
赤血球が壊れることでビリルビンが増加し、黄疸が起こることがあります。
血液検査でビリルビン値・肝機能・ウイルス性肝炎の有無などを調べます。腹部超音波検査・CT検査・MRCP(胆管・膵管の状態を確認する検査)で、胆管の閉塞・腫瘍・結石の有無を速やかに確認します。原因によっては緊急の治療が必要になるため、黄疸に気づいたら迷わず受診してください。
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